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2013年東京大学文科三類合格者の世界史の過去問対策・解き方

ーー加点要素を意識しながら構成を練り大論述で他の受験生に差をつけるーー

2013年東京大学文科三類合格者の世界史の過去問対策・解き方
年度
2013年(1浪)
入学
東京大学文科三類
合格大学
早稲田大学国際教養学部
早稲田大学社会科学部
出身高校
熊本県立熊本高校
センター試験
英語 196点 / 数I・A 96点 / 数II・B 88点 / 国語 186点 / 地学 98点 / 世界史 100点 / 地理 84点

合否のカギを握ると思った設問や、問題全体に対する印象を教えてください。

東大世界史で合否のカギを握るのは、言うまでもなく600~1000字の大論述が出題される第1問です。

この設問で指定語句をミスなく使い切り、熟れたまとまりのある論述を作成できるかで大きな点差がつきます。

試験本番では少しでも点を稼いでおきたいという気持ちから、一番簡単に点が取れそうな1問1答の大問3に固執してしまいがちですが、配点はせいぜい10点分。

考えたところで知らなければ永久に答えが出てこない1問1答でドツボにはまってしまい、大問1で中途半端な答案を書いてしまうようでは、合格点は決して取れません。

大問3はウォーミングアップ程度に捉え、大問1に力と時間を温存することが重要です。

解く順番・時間配分について教えてください。

第3問(10分)→第2問(25分)→第1問(35分)→見直し(5分)の順番・時間配分で解いていました。

先ほども書いた通り、東大世界史で重要なのは、配点がもっとも高いであろう大問1です。

もっとも重要な大問1にできるだけ時間を割くため、単なる小問集合の第3問はわからなければ飛ばし、わかる問題だけを素早く解くことが求められます。大問2もじっくり考えている暇はないので、テキパキと解いていく必要がありますね。

また、最後に5分必ず見直しの時間をとるようにしていました。5分程度の見直しでできることは、誤字脱字のチェックくらい。しかし1点のミスが合否を左右する東大入試では、万が一を防ぐためにやっておくべきでしょう。

特に素早く解いた大問3、大問2は焦ってつまらないミスをしているかもしれませんので入念に。

採点の際に誤字脱字をどこまで厳密に減点しているかは定かではありませんが、少なくとも世界史用語に関しての誤字脱字は無いよう最後に徹底的に見直しましょう。

設問1をどのように解いていたか教えてください。

東大世界史の大問1は、ある世界史テーマについて「タテ」と「ヨコ」、つまり「時代」と「地域」を広く浅く論じさせるのが特徴です。

字数も600字~1000字と多めなので、問題を見てすぐに答案用紙に手をつけるのではなく、まずは指定語句から加点される要素を意識しつつ、答案の構成を練る必要があります。

答案の構成の作り方としては、以下のような手順がおすすめです。

①指定語句を時代・地域の関連ごとにグルーピング
②グループの中で語句同士の関連性を意識しながら、それぞれの語句について教科書的な説明を思い浮かべ、ポイントをメモする
③時代・地域のグループ同士の関連性を考え、メモする

東大を受験するような受験生の多くは、①②まではほぼ完璧にできます。差がつくのは、③です。

具体的には時代をまたいだテーマの場合には、因果関係と変化、地域をまたいだテーマの場合にはそれぞれの異同や、地域間が相互に及ぼした影響などが加点要素になるでしょう。

また大問1でもっとも困るのは、指定語句の使い方がわからないときでしょう。本番で使いどころがわからない指定語句にぶち当たると、本当にパニックになります。

しかし指定語句の中に、教科書に出てこない、超マイナーな用語・人物名を紛れ込ませているのが東大世界史の嫌らしいところです。

このような全く聞いたこともないような語句に遭遇した場合は、無理に使おうとする必要はありません。どのみちその語句に関しては減点されるのですから、下手に使用して貴重な制限字数を浪費することはないのです。

それよりも答案としてのまとまりを意識することが重要です。

設問2をどのように解いていたか教えてください。

大問2は、50~200字程度の短文論述が中心です。

これらは大問1の応用で解いていくのがベター。というより、大問2の応用が大問1といったほうが正確ですね。

過去問などを解いているとわかると思いますが、大問2で与えられる字数は意外とタイト。色々と無駄なことを書くことはできません。加点要素を的確に押さえた簡潔な論述が必要になってきます。

まずは加点要素を洗い出します。具体的には人名、出来事の名称、年代、出来事の因果関係などが点が加点要素となっていると考えられるので、これらを中心に問題用紙の余白にメモ。

その上で、いわゆる5W1Hを意識しながら答案を作成すると、シンプルに書くことができます。

設問3をどのように解いていたか教えてください。

大問3は1問1答形式の小問集合ですが、東大世界史の小問集合には1つ特徴的な部分があると感じています。

それは、解答は受験生なら誰しも知っている用語にも関わらず、問題文の聞き方があまり一般的ではないために失点するケースがある、ということです。

よくある1問1答形式の問題集は、だいたいどこも同じような聞き方をしてきます。この人物、あるいはこの出来事を表すのはこの文章、というのがある意味定式化されてしまっているのですね。

それに慣れてしまっていると、あまり一般的でない問われ方をする東大世界史の大問3は少し手こずります。

大問3はそれほど重要ではない、ということを先述しましたが、それでも本番であまりにも解けないと焦ってしまい、後の大問にも影響が出てしまうでしょう。

1問1答は試験本番のテクニックではなく、日頃からの勉強を工夫することで対策する必要があります。

具体的には、1問1答の問題を解いたら必ず用語集でその用語の周辺知識を確認するという勉強法が有効です。1つの用語に対する知識を教科書レベル以上に引き上げることで、どんな聞かれ方をしても対処できるようにするのです。

世界史は暗記科目と揶揄されますが、「単純暗記で受かるほどウチは甘くない」、という東大からのアンチテーゼなのかもしれませんね。

最後に合格したからこそ言える高得点をとるためのアドバイスをお願いします!

東大世界史で問われる知識は、教科書レベルを大きく超えることはありません。超えるとしても数問あるかないかですし、その部分では他の受験生との点差はつきません。

重要なのは、歴史の流れや地域の関係性といったタテとヨコの繋がりをきちんと意識して、答案を作成できることだと思います。

こういった繋がりを意識して学習するために、一度全範囲の学習を終えたら、世界史の教科書を再度頭から読むことをおすすめします。

世界史を学習し始めた頃は、膨大な歴史用語の暗記で精一杯だったでしょうが、ある程度知識がついた段階で時代や地域の繋がりを意識して読むと、また違ったものが見えてくるはずです。

世界史が好きでより知識を深めたい人には『詳説世界史研究』という参考書もおすすめ。教科書の倍くらいの厚みと内容がある本ですが、タテヨコの繋がりを意識して書かれた本なので大問1の勉強にもなります。