勉強法

三角関数の面倒な積分が楽に解ける4通り覚えて適用する即効薬

三角関数の面倒な積分が楽に解ける4通り覚えて適用する即効薬

三角関数の積分は入試で頻出


数学Ⅲの得点が伸びない理系が『微分積分』の計算問題を解きまくると完答が増える理由にも書いた通り、積分計算は理系にとっての肝と言えます。

しかし入試頻出の積分計算は誰もが対策するもの。正答して当たり前なのです。合格するためにはスピードも追求しなければなりません。

特に置換積分は計算量が増えるため、計算ミスの危険性が高まり、解答時間もかかります。効率よく置換する方法を知ることが入試の点数を上げることにつながるのです。

最も効率が差をつける問題はこのような積分。

$ \int \sin^nx \cos^mx dx $($n,m$は$0$または自然数)

うまく置換できれば素早く解答が導けます。このパターンの問題の、場合別に最適な解法を紹介します。

場合別の解き方


4つの場合に分けます。積分したい関数が複数の項の和になっている場合は、それぞれの項に対して以下の条件を適用してください。

$n=m=1$のとき


$ \sin x \cos x = \frac{1}{2} \sin 2x $ を使って式変形すれば一瞬で解けます。

$n$も$m$も奇数のとき


指数の大きい方を置換します。

$n ≧ m$ ならば $\sin x = t$ とおいて $\cos x = 1-t^2 $
$n \lt m$ ならば $\cos x = t $ とおいて $\sin x = 1-t^2$

置換しなかった方の指数を偶数にすることで置換後の関数がきれいにできます。

指数が等しい場合は$\sin x$を置換すると負の符号が出てこない($\cos x$を微分すると$- \sin x$が出てきてしまう)ので符号ミスを防げます。


$ \int \sin^3x \cos^5x dx = -\int (1 - t^2) t^5 dt $


$n$と$m$の片方が偶数、もう片方が奇数のとき


偶数の方を置換します。$n$が偶数ならば$\sin x = t$、$m$が偶数ならば$\cos x = t$です。

すると両方の指数が偶数になって式変形が楽になります。あとは(2)と同様です。

$n$も$m$も偶数のとき


この場合は置換積分をすると関数が複雑になります。

\[ \sin^2 x = \frac{1}{2} (1-\cos 2x) \]
\[ \cos ^2 x = \frac{1}{2} (1+\cos 2x) \]
\[ \sin x \cos x = \frac{1}{2} \sin 2x \]

を使って式変形をしましょう。

項を少なくするため、なるべく$ \sin x \cos x = \frac{1}{2} \sin 2x $を使います。


$ \int \sin^4x \cos^2x dx$
$= \int \frac{1}{2} (1-\cos 2x) (\frac{1}{2} \sin 2x)^2 dx$
$= \frac{1}{8} \int (\sin^2 2x - \cos 2x \sin^2 2x) dx$
$= \frac{1}{8} \{ \int \frac{1}{2} (1 - \cos 4x) dx - \int t^2 dt \}$


練習問題


問題




次の不定積分を計算せよ。
(1)$ \int \cos^5x dx $
(2)$ \int \sin2x \cos^2x dx $



解説


(1)$n = 0, m = 5$なので「$n$と$m$の片方が偶数、もう片方が奇数のとき」に当てはまります。$ \sin x = t$と置換。

$ \int \cos^5x dx $
$= \int (1 - t^2)^2 dx$
$= \frac{1}{5} t^5 - \frac{2}{3} t^3 + t + C$
$= \underline{\frac{1}{5} \sin^5x - \frac{2}{3} \sin^3x + \sin x + C}$




(2)$x$の係数は揃えましょう。
$ \int \sin2x \cos^2x dx $
$= \int (2\sin x \cos x) \cos^2x dx $
$= \int 2\sin x \cos^3 x dx $

あとは「$n$も$m$も奇数のとき」に従って$ \cos x = t$と置換します。
$ \int 2\sin x \cos^3 x dx$
$= \int (-2t^3) dt $
$= -\frac{1}{2} t^4 + C$
$= \underline{-\frac{1}{2} cos^4x + C}$