勉強法

関係詞の二重限定で『BなAの中で、CなA』という訳し方を知らないのは致命傷

関係詞の二重限定で『BなAの中で、CなA』という訳し方を知らないのは致命傷

自信を持って二重限定を訳せるか?



英語で苦手とする人が多い関係詞。理解しさえすれば、関係詞を含む文の和訳は瞬殺できます。しかし関係詞を理解した人にとっても「二重限定」は厄介な構文です。

訳し方が極めて特殊なので、センスがあれば構文をとること自体はできるでしょう。それでも初見で文意を保って和訳できる人は少ないでしょうね。

次の問題を正しく解けますか?
[問題]次の文の訳として最も適切なものを、選択肢 a ~ c のうちから1つ選べ。
She is the only American that I know who cannot speak Japanese.
a) 彼女は、日本語を話せないと私が知っている唯一のアメリカ人だ。
b) 彼女は、私が知っている中で、日本語を話せない唯一のアメリカ人だ。
c) 彼女は、私が知っていて、かつ日本語が話せない、唯一のアメリカ人だ。

実際の入試では、二重限定の文は長文読解の中に隠れている場合がほとんどです。

選択肢の力に頼らずに瞬時に判断できなければ、実際の入試には勝てませんよ。

似ている3つの文を訳せるか?



前のセクションの問題の答えは、b になります。

上の問題を解くためには「連鎖」「二重限定」「並列限定」の違いを理解しておく必要があります。

  1. She is the only American that I know cannot speak Japanese.

  2. She is the only American that I know who cannot speak Japanese.

  3. She is the only American that I know, and that cannot speak Japanese.


それでは、順番に文を丁寧に見ていきましょう。

「連鎖」は特にテクニックは必要なし


She is the only American that I know cannot speak Japanese.

この文は受験生なら比較的簡単に訳すことができるはずです。文構造を見てみましょう。

She is [ the only American ] ← ( that I know [ ■ cannot speak Japanese ] ).

I know ■ cannot speak Japanese.の■が関係代名詞 that になって、 I know 〜 の中から飛び出していますね。

このように、S + know / think / believe / … の中身から関係代名詞が飛び出ている関係節を、連鎖関係節 ということがあります。

なお、関係詞節中に S + know / think / believe / … が挿入されている、と考えても構いません。訳すときは、 S + know / think / believe / … を一旦除いて考えると良いでしょう。

以上のことから、訳はこのようになります。
和訳
彼女は、日本語を話せないと私が知っている唯一のアメリカ人だ。

「二重限定」は知らないと致命傷


She is the only American that I know who cannot speak Japanese.

この文はどうでしょうか。that 以降がすべて American にかかっていると考えて、次のように考えるのは間違い。
She is [ the only American ] ← ( that I know ■ ← ( who cannot speak Japanese ) ).

では、正しく構造を見ていきましょう。
She is [ [ the only American ] ← ( that I know ■ ) ] ← ( who cannot speak Japanese ).

that I know が the only American を修飾し、who cannot speak Japanese が the only American that I know を修飾します。

このように、先行詞が関係節Aを修飾し、後に続く関係節Bが[先行詞+関係節A]を修飾している構文を二重限定ということがあります。

A (関係詞) B 関係詞 C を BなAの中で、CなA(もの・こと・人などでも可) と訳すのが、二重限定の訳し方です。AとBの間の関係代名詞は省略される場合があります。

よって答えは以下のようになります。

和訳
彼女は、私が知っているアメリカ人の中で、日本語を話せない唯一の(アメリカ)人だ。


「並列限定」は and で繋がっただけ


She is the only American that I know, and that cannot speak Japanese.


3.の文は等位接続詞 and で that I know と that cannot speak Japanese が繋がっただけです。

↙ ( that I know ■ ), She is [ the only American ] and ↖ ( that cannot speak Japanese ).
そのため、和訳は次のようになります。
和訳
彼女は、私が知っていて、かつ日本語が話せない、唯一のアメリカ人だ。

入試本番で上のように時間をかけて構文分析をするのは、非効率としか言いようがないです。繰り返し復習して、文を見た瞬間に感覚的に意味がわかる人だけしか、実際の入試を突破することはできないですよ。

練習問題


以上のことを頭に入れ、次の2問の練習問題を和訳してみましょう。
1.
The few children we know of who grew up without human contact grew up almost mute.(群馬大)

二重限定です。まず we know of が The few children を修飾しており、次に who grew up without human contact が The few children we know of 全体を修飾しています。
和訳私たちが知っている子どもたちの中で、人間の目に触れないで育った少数の子どもたちは、成長してもほとんど話せなかった。

続いて2問目です。
2.
A black lie is a statement we make that we know is false. A white lie is a statement we make that is not in itself false but that leaves out a significant part of the truth.

第一文は、二重限定と連鎖が混ざっています。まず we make が a statement を修飾しており、次に that we know is false が a statement we make を修飾しています。

第二文は、二重限定と並列限定が混ざっています。まず we make が a statement を修飾しています。次に、that is not in itself false と that leaves out a significant part of the truth が等位接続詞 but でつながり、a statement we make を同時に修飾しています。
和訳黒い嘘は、私たちが発する言葉の中で、私たちが偽りだと知っているものである。白い嘘は、私たちが発する言葉の中で、それ自身では偽りではないが、真実の重要な一部分が省かれているものである。