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勘やセンスに頼らない整数問題の考え方①範囲を絞り込め!(part 3)

勘やセンスに頼らない整数問題の考え方①範囲を絞り込め!(part 3)

整数問題を雰囲気で解いていると、いつまでも足を引っ張られる



整数問題は、お決まりの解法が少ない(複数の解法を色々考えて試さなければいけない)ため、苦手とする受験生がとても多いです。

苦手意識のある受験生は、「整数問題は、数学的なセンス・勘に頼らないと解けない」と思い、対策を放棄しがち。結果、なんとなく雰囲気で解いてしまい、整数問題が受験生にとってのアキレス腱であり続けます。

たしかに整数問題は、お決まりの解法こそありません。しかし、考え方・方針の立て方はある程度前もって定まっています。視点を体得すれば、解法の方針を立てるまでに要する時間を減らすことができます。

前回から引き続き、『範囲を絞りこめ!』を扱います。

範囲を絞りこむ具体的な考え方③判別式の利用




問題
$2$次方程式$x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0$の$2$つの解が整数となるような整数$a$の値を求めよ。


整数問題で範囲を絞りこむ際、不等式をいかにして出現させるかが重要です。

不等式を作る有名な方法のひとつに、「判別式の利用」があります。判別式を$D$とおくと、方程式が実数解をもつとき、$D\geq0$が成り立つというものでしたね。整数は実数ですから、整数問題でも有効な考え方です。

「判別式の利用」は、解が関わる問題において活躍します。それでは例題を解いてみましょう。

$x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0$は$2$つの実数解をもつことが必要なので、その判別式を$D$とおくと、

$\begin{align}
D&=(a-1)^2-4(a^2-3a+1) \\
&=-3a^2+10a-3 \\
&\ge 0
\end{align}$

が$a$の必要条件となります。うまく絞りこめそうですね。

この$2$次不等式を解いて、$\frac{1}{3}\leq a\leq 3$。

これを満たす整数$a$の値は、$1,2,3$のいずれか、と絞りこむことができました。

あとは$a=1,2,3$それぞれの場合について、$x^2+(a-1)x+a^2-3a+1=0$に代入し、

実際に解いて$x$が整数解をもつかを確かめればOKです。

やってみると、$a=1.3$の場合は問題なく$x$が整数解をもちますが、$a=2$の場合はそうでないことがわかると思います。

この作業を飛ばして、$a=1,2,3$が答えだ!と早とちりしてしまっては、本当にもったいないです。


解答
$a=1,3$


練習問題


問題



$m$を自然数とする。$x^2-2mx+m^2+m-3=0$が整数解をもつとき、$m$の値を求めよ。


解説



例題と同様にすれば解けます。

$x^2-2mx+m^2+m-3=0$は$2$つの実数解をもつことが必要なので、その判別式を$D$とおくと、

$\begin{align}
D&=4m^2-4(m^2+m-3) \\
&=-4m+12 \\
&\ge 0
\end{align}$

が$m$の必要条件。

この不等式を解いて、$m\leq 3$。

これを満たす自然数$m$の値は、$1,2,3$のいずれか。

あとは$m=1,2,3$それぞれの場合について、$x^2-2mx+m^2+m-3=0$に代入し、

実際に解いて$x$が整数解をもつかを確かめればOK。

方針が正しいとわかると嬉しくなるものですが、最後まで落ち着いて場合分けし、調べていきましょう。

$m=1$のとき、$x^2-2x-1=0$は、整数解をもたない。

$m=2$のとき、$x^2-4x+3=0$は整数解$x=1,3$をもつ。

$m=3$のとき、$x^2-6x+9=0$は整数解$x=3$をもつ。

以上より、求める$m$の値は$\underline{2,3}$。

画像引用:instagram.com